HPVワクチンのTOPICS                                        診療内容のページへ戻る


この秋に施行されるようになるのではないかといわれているHPVワクチンについて

子宮頸がんの99%以上でHPVが検出されるといわれています。そして、数あるHPVの中でも、16型と18型でこれらの70%を占めます。いわばこの16・18型のHPVは子宮頸がんのハイリスクHPVであるといわれているのです。
そして、これらの感染に対抗して、現在2種類のワクチンが開発されています。

2価ワクチン(16型と18型をターゲットとしたもの)
初回、1ヵ月後、半年後の3回接種
4価ワクチン(16型と18型以外にコンジローマなどの原因となる6型、11型もターゲットに加えている)
初回、2ヵ月後、半年後の3回接種

また、これらのワクチンは31型、45型などにも効果が期待されています。

これらのワクチンにより、最低7年間の効果が期待できるといわれています。これはまだこのワクチンがはじまって7年しかたっていないためにそのようにいわれているので、実際は20年くらいは効果が持続するのではないかと期待されています
また、HPVが関与するのではといわれている膣がん、外陰がん、肛門がん、若年性喉頭乳頭腫などにも効果があると考えられています

日本ではまだ確定はしていませんが、アメリカなどではこのワクチンの接種は9才から26才の女性が対象とされています。HPVのほとんどが性交渉を介して感染すると考えれば、極力初交よりも早い時期に接種することが望ましいためです。そしてすでに感染しているHPVを消失させることはできなくとも、一度消失したあとの再度の感染を防ぐ効果はあるのです。子宮頸がんの発生率はHPVの持続感染によって上昇するわけなので効果は期待できます。

なので接種前に必ずしもがんの検査やHPVの抗体価を測定しなければいけないことはありません
ただし、このワクチンですでにがんになっている場合などに治療として効果が期待できるというわけではありません

ではワクチンの副作用はどの程度のものなのでしょうか。現在のところ、めだった副作用は全体の0,1%未満で、喘息、胃腸炎、頭痛、高血圧、性器出血、接種部位の疼痛などでした。約4%に38度程度の発熱などがみられたとのことです。(接種後15日以内)
また妊婦への投与はまだ確立されていませんので接種はしませんが、接種後に妊娠がわかっても妊娠中絶の必要はないといわれています。授乳中の接種は可能です。

ただし、このワクチンをうったからすべての子宮頸がんが予防できるわけではありません
HPV16と18型以外の原因でも子宮頸がんは発生するからです。
ですので、子宮頸がんの検査はやはり定期的に受ける必要があると考えられます。